
相続対策の主な方法 不動産活用法その2 賃貸アパート編
前回は相続対策のひとつとして不動産の活用の中でも沖縄県内において多く用いられている軍用地の活用についてご説明をさせて頂きました。
今回は不動産活用の中で軍用地と同様に活用される手法として賃貸アパートの購入や建設という手段もあります。
アパートの建築については昨今は建築費が高騰しておりますため、相続対策としての効果は大きいものの運用面を考えるとかなり慎重になるひつようがあること並びに新築の場合は建物の完成までに1年近くを要する場合もあり、建築中に相続が発生すると相続対策としての効果がほとんどなくなる場合もありご高齢の方の相続対策としては時間のリスクも考慮しなくてはならなくなります。
そこで、今回は当社がお預かりしております売り出し中の賃貸アパートを購入するケースについて検証して参ります。
<賃貸アパートの評価方法>
賃貸アパートの評価に関しても軍用地の評価と同様に毎年、市町村役場から送付される固定資産税の納付書または固定資産税評価証明書が必要となります。
更に土地の評価に関しては、その土地の所在がどの市町村に存在するかによって準備する資料が異なりますが、その内訳は「路線価地域」と「倍率地域」に区分されます。
沖縄県内です石垣市、糸満市、浦添市、うるま市、沖縄市、恩納村、宜野湾市、北谷町、豊見城市、名護市、那覇市、南風原町、宮古島市、与那原町には路線価地域が全てまたは一部が路線価地域と倍率地域が混在する市町村という土地も有りますが、上記記載以外の地域については倍率地域となります。
倍率地域は前回ご説明いたしました軍用地の評価と同様に土地の固定資産税評価額に財産評価基準書に記載された一定の倍率を乗じて土地の評価をすることとなりますが、今回ご紹介する物件は浦添市の物件は路線価地域に存在しますので、土地を評価するためには固定資産税の評価額ではなく財産評価基準書の路線価図を参照して土地の評価を行うこととなります。
路線価図とは地図上の道路に面する土地の1㎡あたりの単価が記載されており、その単価を基準に土地がどの程度その路線に面しているか、土地の形状のいびつ度合いなどを計算して土地の評価を行うのですが、簡易な方法としては路線価に土地の地積を乗じて大まかな土地の評価を算定することが出来ます。
今回の浦添市の賃貸アパートの事例をご紹介します。
売買価格:1憶2,500万円(賃貸アパート)
・土地 地目:宅地、地積:675,51㎡、固定資産税評価額 約4,387万円
・建物 四階建て、床面積:498.49㎡、鉄筋コンクリート造、
固定資産税評価額 約2,104万円
<土地の評価>
土地の評価は前述のとおり路線価を基準として評価を行います。
・対象地の路線価 145,000円/㎡
・対象地の地積 675,51㎡
・更地としての評価額 97,948,950円(145,000/㎡×657.51㎡)
しかし、対象地には借家人という他人の権利が付随しているためその権利分を控除することが出来るのですが、このような状況の土地を「貸家建付地」といい下記の算式のとおりの評価となります。
・貸家建付地としての評価 86,195,076円
計算式=更地としての評価額×(1-借地権割合×借家権割合)
= 97,948,950円×(1-40%×30%)
※対象地の接する路線価の借地権割合は40%、借家権は沖縄県は一律30%
<建物の評価額>
・貸家の評価額 14,728,000円
計算式=更地としての評価額×(1-借家権割合)
= 21,040,000円×(1-30%)
<対象物件の相続税評価額並びに財産評価の減額>
・対象物件の相続税評価額 100,923,076円
86,195,076円(土地の評価額)+14,728,000円(建物の評価額)
・財産の評価減の額 24,076,924円
125,000,000(実売価格)-100,923,076円(相続税評価額)
上記は相続財産の評価を低減させるものであり、相続税にどの程度影響するかは前回のコラムの内容のとおり、相続財産の総額や相続人数により差異はありますが、このようなアパートなどの物件には所有する土地の中での選択適用にはなりますが、「小規模宅地の特例」として土地の200㎡までの部分については更に評価を50%減額する特例もあり、さらなる効果を生じる場合もあります。
なお、小規模宅地の特例についてはまた次回ご説明させて頂きます。




